 『時をかける少女』は、2006年7月15日に角川ヘラルド映画から公開された日本のSFアニメ映画である。筒井康隆の同名の小説を原作としている。監督は細田守、アニメーション制作はマッドハウスである。各国の映画祭等で多くの賞を受賞するなど、高い評価を受けた。
概要 筒井康隆の小説『時をかける少女』が原作であるが、原作の映画化ではなく、大林宣彦版の実写映画の約20年後を舞台にした「続編」である。興行規模はミニシアター並みであり、そのため上映館も発表当初は全国で21館のみと非常に少なかった。『ゲド戦記』などの同時期に公開されたアニメーション映画に比して、宣伝規模は極めて小さかったが、インターネットなどによる口コミ効果により、公開後1ヶ月を過ぎてからもテアトル新宿などでは連日立ち見が出るほどの観客で溢れかえり、配給会社の角川ヘラルド映画は急遽、上映館を増やすなど異例の対策をとった。上映用のフィルムの数が14本しかないため、上映が終わった館で使っていたフィルムを次の上映館へと使いまわす方式で各地で順次公開され、最終的には上映館は延べ100館以上、2007年4 月20日のDVD発売日まで9ヶ月にわたり公開が続くという、ロングラン興行となった。日本における興行収入は約2.6億円、観客動員数は延べ約20万人と発表されている。また、2007年4月20日に発売されたDVDの出荷本数は約15万本に達した。2007年3月9日からは『跳躍?! 時空少女』(ジャンプしよう!時空少女)というタイトルで台湾で公開。また2007年7月4日からは『la Traversee du Temps』(時間の横断)というタイトルでフランスで公開された。アメリカ合衆国では、2008年に公開予定である。2007年7月21日にはフジテレビ系「土曜プレミアム」枠にてテレビ初オンエアとなった。サッカーアジアカップ2007日本対オーストラリア戦(視聴率23.8%)の裏にもかかわらず、視聴率12.2%(ビデオリサーチ)を獲得した。
ストーリー 東京の下町にある高校に通う女子高生・紺野真琴は、ある日踏切事故にあったのをきっかけに、時間を過去に遡ってやり直せるタイムリープ(時間跳躍)能力に目覚めてしまう。最初は戸惑いつつも、遅刻を回避したり、テスト問題を事前に知って満点を取ったりと、奔放に自分の能力を使う真琴。そんなある日、仲の良い2人の男友達との関係に、微妙な変化が訪れていく。
受賞 * 第39回シッチェス・カタロニア国際映画祭アニメーション部門(Gertie Award)最優秀長編作品賞 * 第11回アニメーション神戸賞 作品賞・劇場部門 * 第31回報知映画賞特別賞 * 第49回朝日ベストテン映画祭 日本映画 第3位 * 第28回ヨコハマ映画祭ベストテン 日本映画 第10位 * 第10回(平成18年度)文化庁メディア芸術祭アニメーション部門大賞 * 第30回日本アカデミー賞 最優秀アニメーション作品賞 * 第1回Invitation AWARDS アニメーション賞 * 第61回毎日映画コンクール アニメーション映画賞 * デジタル・コンテンツ・オブ・ジ・イヤー06/第12回AMDAward 「大賞(総務大臣賞)」「BestDirector」 * 第21回デジタルコンテンツグランプリ優秀賞 * 第6回東京アニメアワード『アニメーション・オブ・ザ・イヤー』、監督賞、原作賞、脚本賞、美術賞、キャラクターデザイン賞 * 第31回アヌシー国際アニメーション映画祭 長編部門特別賞「feature films: Special distinction」 * 第38回星雲賞 メディア部門 * 2007年選定「新日本様式」100選(J100) * 第26回国際アニメーション映画祭Anima2008(ベルギーブルッセル)BeTV賞 国際映画祭の出品に関連し、時をかける少女公式ブログにて英語字幕の一部が閲覧できる。
評価 多くの賞を受賞したことからも伺えるように、本作に対する評価は高い。マイコミジャーナルのレビューでは、「青春映画の傑作としてアニメに興味がない方にも広くおすすめしたい」と評価した。AV Watchでは、「「時かけ」の構成は非常に洗練されている」と評価している。声優初挑戦の配役が大半を占める声優陣についても、おおむね評価されている。本作に対する批判としてあるのが作画に対するものである。アニメ情報サイト『アニメ!アニメ!』では、影無しの作画について、「作画の試みが全編に渡って成功しているかというとちょっと微妙」とし、止め絵においては必ずしも成功していないとの評論を載せている。「BSアニメ夜話」で岡田斗司夫は、恋愛ドラマはよくできているが描かれる世界が狭く、リアリティがないと評価。原作の筒井康隆は、「突っ込もうと思えばいくらでも突っ込める」、「タイトルと自分の名前さえ入っていればいい」などと語ったが、今までの文学では描けなかった世界をアニメーションで行ったことや、現在ならではの「時をかける少女」であることを評価した。
制作 監督の細田が演出を務めたテレビアニメ『おジャ魔女どれみドッカ〜ン!』第40話(2002年11月10日放送)を見たマッドハウス取締役の丸山正雄が筒井作品のアニメ化を持ちかけたのがきっかけである。 この第40話には、魔法を捨てた魔女・未来が登場し、未来の声優を務めたのは大林版『時かけ』で主役を演じた原田知世であることから、『時かけ』のオマージュではないかという見方もある。アニメ化については原作から大きく変更されているが、これは原作の面白さを伝えるためには今風の主人公を出すべきという細田の考えによるものである。また、脚本の奥寺と相談した結果、『時かけ』にある「SF」「恋愛」「青春」のうち原作が「SF」を、大林版『時かけ』が「恋愛」を描いているとの結論から、「青春」を描くことになった、とも述べている。作画上の特徴として、作画に影が用いられていないことが挙げられる。これは監督の細田自身の以前からのこだわりの1つであり、ともすれば記号的に描かれることの多い影を排除することで「アニメのキャラクターではなく生きた人間として見て欲しい」と述べている。声優に関しては、フレッシュさを出すために大部分は本職の声優ではなく、俳優やモデルなどから起用されており、高校生についてはその多くが現役高校生によって演じられている。
主題歌 * 主題歌:「ガーネット」(作詞・作曲:奥華子 編曲:佐藤準) youtube * 挿入歌:「変わらないもの」(作詞・作曲:奥華子 編曲:佐藤準) youtube
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