 『灰羽連盟』(はいばねれんめい、Ailes Grise)は、安倍吉俊の同人誌である『オールドホームの灰羽達』を元に構成されたテレビアニメーション作品である。2002年10月から同年12月までフジテレビで放送された(関西テレビでも遅れネットされた)。全13話。
概観 登場人物たちの深い心理描写、独特の不思議な世界観、セピア調の抑えた色彩、美しく雰囲気のある背景、透明感あふれる音楽などで高い評価を受けた。精神的なテーマを扱い、悲しく重い内容を含みながらも、これらのバランスの良く高品質な描写で視聴者を引きつけ、やがて温かい結末へ向かう。当初放送事情(下記参照)もあり、一部の人々の間でしか知られない作品であったが、放送終了後数年が経過してもなお、口コミなどで評判が広まり、新たなファンが増えつつある。
海外での評価も高く、多くの海外メディアでも取り上げられた。
ストーリー 高い空からまっすぐに落ちていく少女。やがて彼女は水に満たされた繭の中で目を覚ます。古びた建物の一室で彼女を迎えたのは背中に飛べない灰色の羽を持つ、「灰羽」と呼ばれる少女達。繭の中で見ていた空を落ちる夢から、少女はラッカと名づけられる。円形の壁に囲まれたグリの街、灰羽の暮らすオールドホーム、そこでの仲間たちとの穏やかな日々。戸惑いながらも少しずつその生活に馴染んでいくラッカ。しかしやがて、短い夏の終わりに1つの別れが訪れる……。
特記事項 本作品の世界観は、村上春樹の『世界の終りとハードボイルド・ワンダーランド』の『世界の終り』(あるいは中編小説の『街と、その不確かな壁』)とかなり多くの点での共通点が指摘される(街に入ったときに記憶を失うこと、鳥だけが越えられる意思を持つ壁に囲まれた街、森へ立ち入ることへの禁忌など)。
安倍氏は、アメリカにおいて『Animerica』のインタビューに対し、本作品が上記の小説の影響を受けていることについて言明している。また、登場人物の台詞や設定などにおいても村上氏の他作品(『ノルウェイの森』、『風の歌を聴け』、『海辺のカフカ』など)からの影響を色濃く受けている部分が認められる。放送当時(2002年)のフジテレビのアニメ放映環境は迷走しており、本作品もその巻き添えを受けて、二話連続で放送された週が四回もあった。
第01話 「繭・空を落ちる夢・オールドホーム」 第02話 「街と壁・トーガ・灰羽連盟」 第03話 「寺院・話師・パンケーキ」 第04話 「ゴミの日・時計塔・壁を越える鳥」 第05話 「図書館・廃工場・世界のはじまり」
第06話 「夏の終わり・雨・喪失」 第07話 「傷跡・病・冬の到来」 第08話 「鳥」 第09話 「井戸・再生・謎掛け」 第10話 「クラモリ・廃工場の灰羽達・ラッカの仕事」
第11話 「別離・心の闇・かげがえのないもの」 第12話 「鈴の実・過ぎ越しの祭り・融和」 第13話 「レキの世界・祈り・終章」
以上、全13話
スタッフ 原作・脚本・シリーズ構成: 安倍吉俊 助監督・設定補佐: 大森貴弘 キャラクターデザイン: 高田晃 デザインワークス: キムヒロミチ 美術監督: 片平真司 色彩設計: 遠藤菜緒美 コンポジットディレクター: 長牛豊 録音演出: 本山哲 音楽: 大谷幸 制作: RADIX 監督: ところともかず 製作: 光輪密造工房・フジテレビ
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